最近ちまたでは、腸を健康にする「腸活」がもてはやされています。
やれヨーグルトを食べろだとか、やれ漬物を食べろだとか、入り込んでる人だと腸内フローラ検査をするだとか、いろいろな角度から、「腸活」が注目をあびているのです。
たしかに腸は大事な臓器であるだけでなく、健康にたもつことで若々しく、ひいては長寿にもつながると考えられています。
しかし、どのようにしたら「健康な腸」になれるのでしょうか。
ここでは、ブームにだまされないための健康な腸を作っていく方法を紹介します。
目次
腸活は簡単じゃない!
そうなんです。腸内環境を研究をしている研究者でも、「これを食べれば必ず、腸が健康になる」などとは言えません。
それくらい腸は複雑なのです。
これは、個人個人で顔や体格が違うように、腸内環境も人によってそれぞれ異なっていることが関係しています。
もちろん、善玉菌を増やすことが腸にとってよいのは明らかです。
ただ、どんな細菌が豊富で、どんな細菌が足りないかは人によって違うので、むやみやたらにヨーグルトを食べればいいわけではないんです。
ましてや、腸内細菌は1000種類以上は特定されており、最近では細かくわかっていないものも含めると2万種類以上もあると報告されています。
だからこそ、その中で自分にあった腸内細菌が育っていなければ、なかなか便秘解消などにつながっていかないのです。
腸内環境のバランス、2:1:7は本当なの!?
メディアではよく、「理想の腸内環境は、善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割」といわれます。
しかし、これにも懐疑的な研究者はいるといわれているのです。
日和見菌というのは、いわば「未知の菌」でもあるといわれています。
どっちつかずという意味のあために、「日和見」という名前がついているように、味方につけられなければ、良くない働きもします。
そして、その状況というのは、大腸にすんでいる腸内細菌だけの問題ではなく、ストレスや運動不足などでも、日々変わっていってしまうのです。
そんなこともあり、腸内バランスが、「2:1:7」だからといって、必ずしも腸内環境が万全だとはいえないのです。
情報だけに左右されない、自分にあったライフスタイル作り
ちまたにあふれる健康情報に踊らされず、まずは自分のライフスタイルを自覚するところからはじめることが大事です。
「最近、野菜を食べていないな」と思ったら野菜中心の食生活にすることが必要ですし。
ストレスが胃腸に負担をかけていると思ったら、意識的にストレスを解消するために気分転換をしたり、運動や睡眠などのバランスも整える必要があります。
そのためには、発酵食品がいいって聞いたから、発酵食品ばっかり食べたり、漬物がいいって聞いたら漬物ばっかり食べたりというような偏った食生活にすることは絶対にやめるべきです。
それこそ、こと健康に関しては、「ブーム」に乗っかり過ぎることが命取りになることも否定できません。
マスコミに踊らされることなく、自分の体の声を聞くようにすることを優先するようにしましょう。
大腸ガンのリスクを高める3大要因は、「肉」、「アルコール」、「肥満」
2007年、世界ガン研究基金と米国ガン研究財団が発表した報告書では、大腸ガンのリスクを高める原因として、
- 肉
- アルコール
- 肥満
があげられました。
もちろん、肉を食べたから、飲酒をしたからすぐにガンになるわけではありませんが、何事も過剰はよくないということです。
そして、注目すべきは
- 肉の食べ過ぎ
- アルコールの飲みすぎ
が大腸ガンをまねく引き金になっているということなのです。
アメリカでは、1920年より以前は胃ガンが多かったのですが、その理由は燻製(くんせい)肉や塩蔵した肉などの保存食が多かったからだといわれています。
つまり、塩分のとりすぎということです。
ところが、1920年以降から大腸ガンが増えてきてしまったといわれており、これは第一次世界大戦後の景気の良さにより、一般市民に車が浸透したことで、運動不足になってしまったからだといわれています。
そして、そこに拍車をかけたのが、冷蔵庫の普及です。
冷蔵庫に保存ができることになってしまったので、肉の大量摂取がはじまってしまったのです。
特に大腸ガンにとってもっともよくない、加工肉の摂取が増えてしまったのです。
日本でも同様に少し遅れて、食生活の欧米化により、大腸ガン患者が右肩上がりでふえています。
1950年代の肉の摂取量は3〜5kgだったものが、
今では47kgになってしまい、この60年で10〜15倍の増加量です。
肉食化による一番の問題は大腸ガンですが、乳ガンのリスクも上がります。
「肉食女子」は、食生活を改めないと恐ろしい短命化コースになります。
もし、あなたの大事なヒトが、「朝、昼、晩、肉を食べても大丈夫!」という、いわゆる「肉食系」だった場合は、できるかぎり食生活を見直すようにそっと注意をしてあげることをオススメします。
うんち君を「作る」、「育てる」、「出す」の3ステップ!
まずは「毎日快調にうんち君を出す」ということになります。
そこで大事になってくるのは、うんち君を「作るチカラ」、「育てるチカラ」、そして、「出すチカラ」の3ステップです。
ここに食生活をプラスしていくことが大事な腸活なんです。
第1ステップ・・・作るチカラ
まずは、うんち君の元となる食べ物が重要なんです。
腸のためには、よく言われるように食物繊維の豊富な食事をオススメします。
食物繊維は水分をたもつため、うんち君が硬くなりすぎないように調節してくれます。
オススメは
- 野菜(根菜)
- 果物
- 海藻
- きのこ類
- 豆類
などです。
便秘気味の人は、特に海藻をたくさんとるといいでしょう。
食物繊維には、タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルの「5大栄養素」に次ぐ、「第6の栄養素」といわれています。
体にとって栄養のないものと考える人もいますが、いやいやどうして、腸にとっては非常に重要な栄養素です。
食物繊維の野菜選びなどは奥が深いので、「【青汁の選び方】大事なのは中身の野菜!オススメはクマイザサ!」記事を参考にしてみてください。
第2ステップ・・・育てるチカラ
育てる力に必要なものの代表選手が、ビフィズス菌です。
「腸にいい」といわれる善玉菌は、この育てるチカラとして、活躍するのです。
ビフィズス菌は善玉菌の代表です。
腸内で善玉菌がふえれば、相対的に悪玉菌は減っていき、悪玉菌が減れば、それに応じて有害物質も減っていきます。
ビフィズス菌を増やすには、なんといってもヨーグルトや乳酸菌飲料、そして納豆などの発酵食品の摂取です。
ビフィズス菌などの発酵食品のチカラについては、「【善玉菌と悪玉菌のチカラ】ビフィズス菌は仲間?ウェルシュ菌や大腸菌はどっち!?」の記事を参考にしてください。
第3ステップ・・・出すチカラ
最後の「出すチカラ」は、一番大事なステップです。
出さなければ、うんち君はどんどん腐敗し、せっかく善玉菌を多くした腸内もいつのまにか悪玉菌がはびこるようになってしまいます。
その結果、有害物質が発生し、それが全身に巡ってしまい、便秘解消による様々な症状をひきおこすことにつながってしまうのです。
大腸のうんち君は、通常は腸の蠕動(ぜんどう)運動で押しだされます。
蠕動運動は、神経の働きによって自動的におこなわれますが、肛門から外におしだすには、
- 腸の周りの腹筋
- 腸腰筋のサポート
が不可欠です。
女性に便秘が多いのは筋力が少ないことも要因の1つです。
もちろん、スポーツジムなどで、ムキムキに鍛える必要はありません。
それでも、せめて自分のうんち君を押しだせるくらいの力くらいはつけることが必要です。
まとめ
いかがでしょうか?
ここで紹介した、うんち君をだすための3ステップはどれもしっかりとこなさなければ意味がないものです。
もちろん、そのためには普通に野菜やヨーグルトを飲んでいても、なかなか必要な量を摂取することができない可能性があります。
このサイトでも、何度も紹介していますが、
- 食物繊維ならば→→→青汁
- 乳酸菌なら→→→乳酸菌サプリメント
となると考えています。
青汁と乳酸菌サプリメントをしっかりと、摂取することでステップ1、ステップ2をしっかりこなし、最後の3ステップのために、適度な運動やストレッチで出すチカラをつけるように生活習慣をあらためていくことが、便秘解消の大事なステップとなるでしょう。