妊娠中毒症、尿路感染症、羊水過多症、巨大児って、聞いたことはありますか?
これらがすべて、妊婦さん、そして、生まれてくる赤ちゃんにおきる症状だと聞いたら、どう思いますか?
しかも、妊娠糖尿病という妊娠からひきおこされる症状でもあるのです。
ここでは、妊娠糖尿病について紹介するとともに、妊娠糖尿病を予防・改善するための方法を紹介していきます。
もちろん、このサイトでもお馴染みの、アレで助けてもらいましょう!
目次
お母さんの妊娠糖尿病も治せる、乳酸菌!?
お母さんにとって、妊娠中の乳酸摂取はアレルギー以外でも健康増進効果が非常に高いことがあきらかになっています。
具体的には、妊娠期からお母さんに乳酸菌サプリメントを投与した結果、善玉菌の投与と栄養指導の併用は、妊娠糖尿病のリスクを1/3まで低下させることがわかってきています。
256人の母親を、妊娠の前期(1/3期以前)に何もしないグループと、食事指導をうけるグループとに無作為にふりわけたうえ、後者のグループをさらに2つにわけました。
- 栄養士による食事指導をおこない、さらに乳酸菌とビフィズス菌のサプリメントを投与する群
- 食事指導のみの群
- 何もしない群
その結果、妊娠糖尿病の発症率は以下のようになり、乳酸菌をとりいれた群はかなりの改善がみられています。
- 13%
- 34%
- 36%
(参考文献:「アトピー・花粉症もスッキリ!アレルギーは腸から治す / 林隆博」)
妊娠中に血糖値が、異常になる妊娠糖尿病は、母子とともに非常にリスクが高い疾患です。
母親にとっても、以下の危険性が増大し、
- 妊娠中毒症
- 尿路感染症
- 羊水過多症
赤ちゃんにも、以下のような危険性があります。
- 巨大児
- 新生児仮死
- 低血糖症
妊娠糖尿病からひきおこされるいろいろな病気
さきほども紹介しましたが、妊娠糖尿病になるといろいろな病気や症状が、母体だけでなく、生まれてくる赤ちゃんにもおきる可能性があります。
ここではその中でも代表的な3つの症状について紹介していきます。
妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群):脳出血や腎臓・肝臓の異常もひきだす
妊娠中毒症は、妊娠前にはなかったにもかかわらず、妊娠中期以降に、
- 高血圧
- 蛋白尿
- むくみ
のいずれか1つ、あるいは2つ以上があらわれる病気のことです。
最新の研究で、妊娠中毒症の症状は「血管的な病気」であり、そのメインとなる原因が「高血圧」であることが分かってきました。
最近では「妊娠高血圧症候群」ともいわれており、理由としては高血圧が中心となっていろいろな悪さが引きおこされるからです。
具体的には、妊娠20週以降に高血圧がみられ、出産後12週までに血圧が正常にもどるのが、妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)の特徴です。
20人に1人くらいの割合で発症するといわれているので、それほど珍しいものでもありません。
万が一妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)になったとしても慌てないで医師の指示にしたがうようにしましょう。
ちなみに高血圧は、以下のような血圧数値をさします。
- 収縮期血圧が140mmHg以上
- または、拡張期血圧が90mmHg以上
妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)では、このうちの拡張期血圧が上昇する特徴があります。
重症化すると、血圧の上昇だけでなく、蛋白尿などの症状にくわえて、
- 脳出血・子癇(しかん)などの痙攣症状
- 腎臓・肝臓の機能障害
- HELLP症候群(肝機能障害、溶血)
などの妊婦さんにおいて異常事態が発生する可能性もあるので、気をつけるようにしましょう。
さらには、胎児への影響も少なくなく、以下のよううな危険性があり、場合によっては帝王切開の必要性がでてきます。
- お母さんの胎盤からうまく栄養が伝わらない
- 通常よりも体重が少なくなる
- 赤ちゃんが胎盤からはがれる
- お腹の中で赤ちゃんの急死
羊水過多症:体重の増加やお腹のハリには注意が必要!
妊娠の間は、お腹の赤ちゃんは子宮内を満たす羊水に守られています。
その状態で、生まれるのを待っているのです。
羊水の役割としては、以下のような役割があります。
- お腹の外から加わる可能性のある衝撃を和らげてくれる
- 体温を保ってくれる
- 肺の発達を促してくれる
羊水の量は妊娠8週目くらいから増えはじめ、妊娠30~35週目くらいには、最大約800mLとなります。
その後は減りはじめ、出産するくらいには200~400mLくらいになっているといわれています。
日本産科婦人科学会の判断では、妊娠の時期にかかわらずに、羊水の量が800mLを超えた場合に「羊水過多」と定義しているようです。
羊水過多にともなって、
- お腹のハリ
- 体重の急激な増加
といった自覚症状があらわれた場合には医師に相談するようにしましょう。
羊水過多症にあると、早産になってしまったり、低出生体重児やダウン症の赤ちゃんなどが生まれる可能性も高くなるなど考えられていますので、羊水過多には慎重な判断が必要です。
巨大児:4000g以上の子供には要注意!?
巨大児とは、名前から判断して、かなり大きな体の赤ちゃんを想像されてしまいますが、巨大児の判断は出生体重が、4000g以上である新生児のことをさします。
そのため、3000g以上で生まれてくる新生児は結構いますので、それほど珍しい数字、それほど大それた数字ではないわけです。
一般的に巨大児は糖尿病の母体からうまれてくることが多いといわれています。
巨大児になると、
- 呼吸障害
- 低血糖
- 低カルシウム血症
などの障害がおきたり、ひどい場合には、
- 高ビリルビン血症
- 心不全症状
などを引き起こすことになってしまうので、妊娠時の糖尿病には気をつけなければなりません。