最近はアトピー性皮膚炎や花粉症、ぜんそく、食物アレルギーなどアレルギー疾患の治療に悩む人が多くいます。
通常、アレルギー疾患の治療には、ステロイド剤や抗アレルギー剤などを使用されますが、これらの薬による治療は、症状を緩和させるだけです。
この方法ではアレルギー疾患を完治させるものではなく、いつまでたっても完璧には治らないともいえます。
しかも、ステロイド剤などの場合には使い続けることで効きにくくなるということまで分かってきています。
ここではこのサイトでもカテゴリーにしている「アレルギーは腸から治療」というテーマのもとにアレルギーへの取り組みのまずはファーストステップとしての心構えを紹介します。
目次
アレルギー疾患は、免疫システムの崩れ!?
アトピー性皮膚炎や花粉症に代表されるアレルギー疾患とは、免疫システムのバランスが崩れる病気です。
免疫システムは、体内に侵入したウイルスなど身体に害を及ぼす物質を排除する、私たちが生きていく上で、とても大切な仕組みです。
しかし、免疫システムのバランスが崩れると、本来は身体に害を及ぼさない花粉や食物などに過剰反応して、鼻水やくしゃみ、かゆみなどのアレルギー反応が起きてしまうのです。
免疫システムのバランスが崩れる原因は、
- ストレス
- 乱れた生活習慣
- 加齢
- 水や大気の環境汚染
など、いろいろ考えられていますが、最近の研究では、腸内環境の乱れが大きく関わっていることがわかってきました。
人の免疫細胞の約70%は腸内にあり、24時間休みなく働いて健康を守ってくれているのです。
しかし、腸内環境が乱れると、免疫が正常に機能しなくなってしまい、アレルギー反応を引き起こしてしまうのです。
逆にいえば、腸内環境を正常に整えることさえできれば、アレルギー疾患をふせぐことが可能になるということです。
では、腸内環境をととのえるには一体どうすればよいでしょうか?
クスリや環境改善だけじゃ改善できないのが、アレルギー疾患
多くのアレルギー疾患の医師や研究者の方々の意見だと、アレルギー疾患は薬や環境改善だけで治すことは、ほぼ不可能だといわれています。
この記事タイトルである「アレルギーは腸から治す」のとおり、アレルギー疾患を根本から治すには、その原因となる腸に乳酸菌などの善玉菌を増やし、腸内環境をととのえるのが一番の近道だと考えられているのです。
腸内環境とアレルギーについては、「【アトピー性皮膚炎改善には乳酸菌】親がアトピー体質なら乳酸菌で改善が必要!?」や「【花粉症には乳酸菌が効く】乳酸菌でIgA抗体を増やせば、免疫の誤作動が止まる!」の記事を参考にしてみてくださいね。
近年、腸内環境が注目をあび、乳酸菌などの善玉菌入り乳飲料や食品が出回り、手軽に手に入るようになりました。
しかし、正しい情報や知識はあまり知られていないため、間違った乳酸菌えらびをしていたり、摂り方を間違っていたりするのをよくみかけます。
乳酸菌といえども摂り方などを間違ってしまったら、その効果を十分に感じることはできなくなってしまいます。
アレルギー疾患は、現代人の大きな悩み
湿疹が治らない、肌がカサカサしてかゆい、目や鼻がムズムズする、くしゃみが止まらない、このようにアレルギー疾患は、現代人の大きな悩みのタネです。
今や日本においては、春の国民病ともいわれる花粉症などの「アレルギー性鼻炎」、治療が長期にわたり心身への負担も大きい「アトピー性皮膚炎」、「ぜんそく」など、アレルギーに悩む人は多くいます。
こうした、アレルギー疾患の治療は、
- 食生活改善
- 居住環境の整備
などの方法もありますが、通常は
- 抗ヒスタミン剤
- 抗アレルギー剤
- ステロイド剤
などの藥による治療が中心になります。
しかし、残念ながら、薬はかゆみや発疹などの症状を一時的に緩和させるだけの「対症療法」というもので、アレルギー疾患を根治するものではありません。
対症療法とは、原因ではなく、あらわれている症状を治す療法です。反対に原因を治すのは原因療法といわれています。
だから、薬をやめると症状がぶり返してしまうため、アレルギー疾患に悩む患者は長年にわたって藥を飲みつづけていかなくちゃいけないのです。
アトピー性皮膚炎は、ステロイド剤に要注意
特にアトピー性皮膚炎の場合、ステロイド剤の軟膏などが安易に処方されますが、これには問題があります。
ステロイド剤は速やかに炎症を和らげてくれる即効性のある薬であるため、はじめは症状を軽減する効果があります。
しかし、長期間使用すると患部の免疫力が低下してしまい、しだいに効果が弱くなっていくのです。
そのため、薬の量がだんだんと増えてしまい、気づいたときにはステロイド剤をやめられなくなってしまうのです。
しかも、ステロイド剤には副作用もあり、長期間大量に使用していると免疫力が低下して
- 感染症をおこしやすい
- 子供の成長が止まってしまう
- 「ムーンフェイス」になる
「ムーンフェイス」とは、浮腫んで丸くはれあがったような顔のことです。
アトピー性皮膚炎は治療を重ねても症状が一進一退であることが多く、ストレスなどでも症状が急激に悪化し、ひどいかゆみに襲われます。
本人も気づかないうちにかきむしったりして、顔や首、腕や足から血やリンパ液がにじむため、非常に痛々しいものになってきます。
民間療法や高額サプリメントに安易に逃げてはダメ!
症状が改善しないと「薬には意味がない」、「医師は信頼できない」といいだす人がいます。
もちろん気持ちを考えれば、わからないこともありません。
でも、そういう人は、通常の治療をあきらめて、
- 民間療法
- 高額なサプリメント
- 高額スキンケア製品
に手を出してしまうのです。
もちろん、すべてが悪いとはいいませんが、こうした製品の中には、科学的根拠のないものも多く、症状が改善するどころか悪化してしまう場合もあることに気をつけなければなりません。
ぜんそくや花粉症も対症療法には限界がある
そうなりますね。花粉症やぜんそくにおいても、薬での対症療法には限界があります。
花粉症人口が増えるにともない、花粉症の薬も数多く市販されるようになりましたが、市販薬による副作用も多数報告されているくらいなのですから。
抗ヒスタミン剤には
- 眠気
- 頭痛
- 不整脈
などの副作用があります。
また、即効性があり、スッキリするため多くの人が使用する点鼻薬についても、抗ヒスタミン剤やステロイドがふくまれているものであれば、副作用があるうえに、依存症も指摘されています。
副作用が少ないといわれている点鼻薬のなかにも、血管収縮剤がふくまれているものも多く、長期にわたって使用すれば鼻の粘膜が肥大して鼻づまりを悪化させることがあります。
最近では花粉成分を投与して、根治を目指す、舌下免疫療法も保険適用になりましたが、即効性はなく、気長に取り組まなければ効果がみこめません。
アレルギー疾患の主な治療法
いろいろとアレルギーの対処について紹介してきましたが、最後にアレルギーのいろいろな対処方法と治療方法を紹介します。
どれもアレルギー疾患の種類によって選択が異なってきますので、まずは医師の診察を受けた上でしっかりと治療をしていきましょう。
アレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)の除去
<治療法・効果>
花粉やホコリ、食べ物などのアレルゲンを口にいれたり、触ったりしないようにする。
<副作用・短所>
- 日常生活ですべてのアレルゲンを回避することは難しい
- 特定のアレルゲンを回避しても、また別の物質が新たなアレルゲンになる可能性もある
滅感作療法(抗原特異的免疫療法)
<治療法・効果>
- 少量のアレルゲンを少しずつ増量しながら、体内にとりこんで、身体にアレルゲンを慣れさせる療法
- アレルギー性鼻炎や食物アレルギーなどにも有効
<副作用・短所>
- 効果には個人差がある
- 効果がでるまでに時間がかかる
抗ヒスタミン剤
<治療法・効果>
体内に発生するヒスタミンが起こすかゆみや鼻炎、ぜんそくなどのアレルギー症状を抑える薬剤
<副作用・短所>
だるさや眠気などの副作用がある
ステロイド剤
<治療法・効果>
- 体内の免疫反応をおさえて、炎症をしずめる作用がある
- 即効性がある
<副作用・短所>
- あくまで炎症を抑えるための一時的なものであり、アレルギーそのものを治すわけではない
- 副腎機能低下などの副作用がある
抗アレルギー剤
<治療法・効果>
アレルギー疾患の症状を誘発する化学伝達物質の働きを阻害する、予防的治療薬
<副作用・短所>
急性期の諸症状に効果が少ない
対症療法ではなく、腸からしっかり治療していこう!
いかがでしたでしょうか?
アレルギー疾患を治療していくのはとても大変なことですが、一時的な治療だけのために原因を根絶できないのはあまり意味のないことです。
ここでは、中盤で紹介したように腸をからアレルギー疾患を治療していくことを提案しているので、これらの対症療法にプラスして、乳酸菌サプリメントで腸内環境を改善していくことを提案します。