現代人の腸内環境は、みなさんが思っている以上に悪化してきています。
その原因の多くが、食生活の変化になっています。
ここでは、腸内細菌の年齢による変化を考察しつつ、食生活の改善方法と乳酸菌のとりいれ方、ダイエットの危険性について紹介していきます。
腸内細菌の一生の推移をみてみよう
下のグラフは、健康な人間の腸の中で、善玉菌の1つであるビフィズス菌が、一生を通してどのように変化していくかを表したものです。
<出典:大塚製薬HP 光岡知足著「腸内フローラと食餌」より>
このグラフを見ていただくと、まず母親の胎内にいる赤ちゃんの時期は、無菌の状態にあることが分かります。
しかし、授乳がはじまると赤ちゃんの腸内細菌は一気に増え、授乳開始から1週間ほどが経ったころには、腸内細菌の95%をビフィズス菌が占めるようになります。
授乳開始後から青年期にかけては、ビフィズス菌の数が少し減って、代わりにバクテロイデスなどの日和見菌が増えてきます。
一方、ウェルシュ菌などの悪玉菌は比較的少なく安定した状態を保っています。
ところが、老年期に入ると、ビフィズス菌の数がぐんと減り、ウェルシュ菌などの悪玉菌や大腸菌などの日和見菌が増えはじめるのです。
食生活の改善を意識する
このように、ビフィズス菌が減って悪玉菌が増えるのは、加齢に伴う現象といえます。
なぜなら、腸の状態は食べたものによって大きく影響されるからなの。
そして、注意したいのは肉類の食べ方ね。
肉などのタンパク質は、成分の変性を起こしやすく、変性を起こしたタンパク質は人の持つ酵素で分解できません。
しかし、悪玉菌はそれらを分解できるので、大腸で悪玉菌のエサとなってしまい、その結果、悪玉菌が増えてしまうのです。
もちろんカロリーのとりすぎ自体にも注意が必要です。
20歳を過ぎると、年齢とともに基礎代謝は減少していくものです。
しかし、近年は、1日の摂取カロリーが30代以降50代まで、むしろ増加傾向にあります。
これでは人間が消化・吸収しきれない分が大腸に届き、悪玉菌のエサを増やしているのと変わりありません。
年齢に応じて、食事内容を変えることも大切なことを覚えておきましょう。
注意したいダイエット
反対にカロリーを制御するダイエットをきっかけに、腸内環境を悪化させてしまう人も急増していることも覚えておきましょう。
食べる量が減ると、便となる食物繊維の摂取量が減るため、便秘になりやすくなるのです。
さらに、とれる栄養分が減るので、ダイエット中は腸内細菌そのものも減っていきます。
ダイエットによって、腸内の悪玉菌が減るのはいいことですが、過度なダイエットによって、乳酸菌が減少すれば、その効果も失われてしまうのです。
ダイエット中は、特に野菜や果物など食物繊維が豊富な食材をとることが重要です。
ダイエット中にも乳酸菌をとるにはヨーグルトか、それ以上に簡単に多くの種類の乳酸菌をとりいれることが可能な乳酸菌サプリメントがオススメです。