この世界に数え切れないほど菌は、存在しています。
そして、我々人間の体の中にも細菌は存在し、その中でも腸内細菌の働きこそ、最も重要であると考えられていることをご存知ですか?
果たして、その理由はなんなのでしょうか?ここでは少し突っ込んで腸内細菌について、学んでみたいと思います。
山ほどある菌の中でも、腸内細菌こそ最重要な菌!
腸内細菌の凄さは、なんといっても数の多さにあります。
菌そのものは、人間の体のいたるところに常在していますが、数においてはその他の菌を圧倒しています。
特に多いのは消化吸収された食べ物のカスから水分を抜き取り、便に変えていく大腸の中になります。
その数は、以前は100兆・100種類と概算されていましたが、現在では研究が進んだことによって、300〜500種類は存在すると考えられています。
かなり膨大な数だと思いませんか。
地球上の人口をはるかに上回る数の菌たちが、一人一人の大腸内に生息していることになるのですから。
こうした腸内細菌に関する研究は成果がではじめたのは、19世紀後半になってからです。
嫌気性と好気性などの異なる菌が見つかっていくまでの流れ
まず、1886年にオーストリアの小児科医修理費が、乳児の糞便から大腸菌を分離することに成功します。
1899年にはパスツール研究所の獅子が同じく乳酸菌の1種であるビフィズス菌を分離します。
翌1900年には、オーストリアの小児科医モローが、ビフィズス菌とは別種の乳酸菌を新たに発見します(アシドフィルス菌と命名)。
こうした腸内細菌の発見があいつぐことで、主に小児科の分野で腸内をビフィズス菌優位の状態に保つことの重要性が指摘されるようになりました。(ただし、これはあくまで乳児に対してのもので、当時大人の腸内にビフィズス菌が生息することが認識されていたわけではありません。)(「人の健康は腸内細菌で決まる」光岡知足著)
嫌気性菌とは空気のあるところを嫌う細菌で、好気性はその逆で空気のあるところを好む菌です。
ビフィズス菌をはじめ数多くの菌は、嫌気性細菌になります。
一方で大腸菌は、好気性の性質ももちつつ、嫌気性でも生存できるので、通性タイプといわれており、最初に繁殖することができるといわれています。
古い時代は、大腸菌が培養しやすいこともあり、大腸菌の情報だけがやたら多かったのもそのためです。
腸内フローラの研究に着手
昔の研究では一つ一つの腸内細菌の働きに着目することが中心でした。
そのため、腸内細菌を集団として包括的に捉えようという発想がほとんどなかったのです。
今、やたらと世間をにぎわしている腸内フローラという言葉が登場するのは、だいぶ経ってからの1950年代ころで、一般の人も耳にするのは、ここ10年くらいでしょう。
現在では、様々な種類の菌が共生し、1つの生態系を形作っていることから、こうした菌の集団は腸内フローラと呼ばれています。
東ドイツの細菌学者であったヘーネルや理化学研究所が中心となって、人間の大人の腸内でもビフィズス菌が有利に働いていること、動物の腸内でも大腸菌以外の様々な嫌気性菌が働いていることなどが発表され、腸内フローラの実態が明らかになっていきました。
以後、30年ほどかけて腸内細菌の研究が続けられたことで、1980年代に腸内細菌の分野の科学が進化してきました。(「人の健康は腸内細菌で決まる」光岡知足著)
結構、最近のことなのよね。
その後の腸内細菌の研究結果などからわかってきた、腸内細菌の力を知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
⇨「【腸内環境チェックリスト】おならや便が臭い人は「ウェルシュ菌」に要注意!」
せっかくなので、腸についても良く知りたい方はこちらの記事をどうぞ。