みなさんは日頃から自分の便の状態を確認していますか?
「そんなことしねえよ!」、「汚いわよ!」って言う人もいるかもしれませんが、何気なく見たりしている人はいますよね?
できれば、しっかりと確認した方がいいようです。なぜなら便の状態で腸内環境の状態がわかるからです。
ここでは、悪玉菌優勢になると、どれだけ体にとって危険なことであるかを紹介するとともに、便の状態のチェックの仕方を伝授します!
ちょっと抵抗あるかもしれませんが、ぜひ毎日の日課にしてください!
目次
アレルギーだけではない、寿命を縮める悪玉菌の恐怖
悪玉菌が体にもたらす影響は、アレルギー疾患だけではありません。
ときとして命を危険にさらす疾患の原因にもなります。
悪玉菌は、腸内で毒素をつくりだしてしまいます。
- アンモニア
- 硫化水素
- アミン
- インドールなど
この毒素が「過敏性腸症候群」をひきおこすことで、日常生活に支障をきたす場合もあります。
<日常生活の支障>
- 腹痛や下痢のために1日に何度もトイレにいく
- トイレにかけこむのが怖くて外出できない
また、アンモニアなどの毒素が増えると、毒素を分解する働きをする肝臓にも負担がかかり、肝機能障害の原因にもなります。
野菜や加工肉にふくまれるものでも悪玉菌と悪さをする!?
悪玉菌によって算出された有害物質「アミン」が腸内で亜硝酸塩という物質と結合することによって
- 大腸ガン
- 膀胱ガン
の発症リスクを高めます。
結構いろいろなものに含まれています。
というのも亜硝酸塩は加工肉にふくまれることが多いのです。
<加工肉>
- ハム
- ソーセージなど
さらに
- ホウレン草
- レタス
- 春菊などの野菜
にふくまれる硝酸塩も体内で亜硝酸塩に変化します。
腸内環境が悪化した状態でこれらの食品を食べると、発がん性物質が産生されやすくなります。
腸の働きが低下すれば、もちろん便秘にも
さらに悪玉菌によって腸の働きが低下すると、慢性的な便秘になり、腸内の老廃物が血液中に流れこみます。
この老廃物がつまって、血液の流れがとどこおると、怖い病気の原因にもなってしまいます。
- 動脈硬化
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 脳梗塞など血管系の病気
そのうえ、近年では、重度の便秘が
- 慢性腎臓病
- 末期腎不全
を引きおこすという研究結果も発表されているほどです。
まだまだある悪玉菌の弊害:糖尿病、潰瘍性大腸炎
まだまだいろいろな危険性もふくんでいます。
腸管のバリア機能が低下して、血液中に悪玉菌やその毒素が流れ込むことによって炎症がおき
- 糖尿病
- 潰瘍性大腸炎
を発症することもあります。
潰瘍性大腸炎とは、腸に炎症をおこして潰瘍ができ、激しい下痢や腹痛をくりかえし、長引くと大腸ガン発症のおそれもある疾患です。
(潰瘍性大腸炎については、「【潰瘍性大腸炎を乳酸菌で予防】一番大切な腸管免疫を高めて、免疫異常を予防!」の記事を参考にしてくださいね。)
ほかにも、善玉菌が腸でうまく働かないことで
- うつ症状をひきおこしたり
- 関節リウマチ
の原因になったりするなど、悪玉菌は体全体に悪影響をあたえる存在なのです。
悪玉菌によるさまざまな弊害
悪玉菌による弊害はいろいろなものがあることが分かっていただけたかと思いますが、一度聞いただけでは覚えきれないと思うので、ここに簡単にまとめておきましたので、頭に叩きこんでおきましょう。
まあ、簡単に言えば、悪玉菌が増えると悪い状態になるのは腸だけじゃなく体全体ということです。
糖尿病
血液中に悪玉菌の「グラム陽性菌」がながれだし、インスリンが体内で効果を発揮しにくくなる。
発がん性物質の産生
悪玉菌によって産生された有害物質「アミン」が腸内で亜硝酸塩とむすびつくことで、発がん物質「ニトロソアミン」に変化する
潰瘍性大腸炎
腸に炎症をおこして潰瘍ができ、激しい下痢や腹痛をくりかえし、長引くと大腸ガンの発症の恐れもある
うつ症状
脳内の神経伝達物質「セロトニン」が腸内環境の悪化によって腸でつくられなくなってしまい、セロトニンの不足によってうつ症状をひきおこす
過敏性腸症候群
腹痛や下痢、便秘を日常的にくりかえし、腹部の不快感が生じる
肝臓への負担
悪玉菌の数が増えるとアンモニアなどの有害物質が多く産生され、肝臓に多大な負担がかかって肝機能障害をひきおこす
血管系の疾患
悪玉菌がつくりだす「チラミン」という物質が血圧を上昇させ、高血圧を誘発させる
腎不全
便秘によって腸管が傷つき、尿毒素やエンドトキシンなどの有害物質が吸収された慢性腎臓病や末期腎不全になる
腸内環境をセルフチェックする!?
もっとも単純でわかりやすい方法は、便のセルフチェックです。
ちょっと抵抗あるかもしれませんが、これをすることで毎日の状態すらも確認できることになるのです。
「黄褐色で、におわない便」がベスト!
アトピー性皮膚炎や花粉症など、つらいアレルギーをなくすためには、免疫力を強くすることが大切です。
そのためには、免疫細胞がたくさん集まっている腸内の環境をととのえることが第一歩です。
これまで説明したように腸内環境は赤ちゃんのときに決まってしまいますが、大人になってからでも簡単に腸内環境をととのえることができます。
(腸内環境の年齢による移り変わりは、「【腸内細菌と年齢の関係】赤ちゃん最強!?加齢とともに減少傾向って本当!?」の記事を参考に)
腸内環境を改善する前に、まずは自分の腸がどういう状態なのかを知ることが大切です。
簡単にチェックする方法は、便の
- 色
- におい
- 形
- 硬さ
を確認することです。
腸内に悪玉菌が多いと、排便のリズムや便の状態が変わってきます。
便の色は、腸内が「酸性」か「アルカリ性」かによって、決まります。
胆汁にふくまれるビリルビンという色素が影響し、色が変わっているのです。
善玉菌が多い環境ならば、善玉菌の作用によって酸性になり、便は黄色みを帯びた茶色(黄褐色)になります。
悪玉菌が多いとアルカリ性になり、便は黒ずんでいるのが特徴です。
臭いも重要な判断材料
臭いも判断材料になります。
腸内環境のバランスがいいときの便は、酸性なのであまりにおわず、少し酸っぱい臭いがすることもあります。
一方で、トイレの外まで臭うほどの悪臭がただよう便は、悪玉菌がふえている証拠です。
腸内で消化されなかったタンパク質が悪玉菌によって分解され
- 硫化水素
- インドール
- スカトールなど
の腐敗物質を生み出し、強烈な臭いを発するのです。
ベストなのは、こんな便。
- 「するっ」とでてくる
- バナナ形
- 硬すぎない
- 柔らかすぎない
- 歯磨き粉のような硬さ
便の量の多さも、腸内環境のよさを示すひとつの指標だともいわれています。
便のうち約半分は腸内細菌なので、便の量が多いということは、それだけ腸内細菌の数が多いということになるのです。
便の正しい見分け方
便の形状においては、硬さと水分の少ない方から分類すると
- コロコロ状
- カチカチ状
- バナナ状
- 半練り状
- 泥状
- 水状(下痢状)
となります。
この中で理想的なのは、バナナ状と半練り状だけです。
次に、見分けるポイントは先ほどもお伝えした、「色」です。
これは黄褐色であればあるほど善玉菌が多く、臭くない便になると考えられています。
つまり、理想的な便は、善玉菌が優勢で、あまり臭わない黄色みを帯びた茶色(黄褐色)になります。
逆に心配な便は、黒ずんでいて強烈な臭いがして、気持ち悪くなるような臭いの便です。
最高に理想なのは、1日1回、朝食後に「するっ」とでることです。
しっかりと出れるようにするために、ビフィズス菌などの善玉菌をしっかりと摂取して、腸内環境を改善しておきましょう。
食生活やストレスにも注意する
腸内環境の乱れや悪玉菌の増加には、食生活やストレスもおおいに影響しています。
現代の日本人は、食生活が欧米化したため、油や糖分が多く、味の濃い食事を食べがちです。
さらに食物繊維の摂取量が減って、便の量も減っているという報告もあります。
善玉菌の栄養源になる食物繊維が多くふくまれる野菜や豆類、きのこ類を多くたべる人ほど、便の量が多い傾向にあるといわれています。
食物繊維の大切さについては「【食物繊維は、第6の栄養素】大腸ガン予防の一番手!食物繊維で健康な体に!」の記事も参考にしてくださいね。
食物繊維はとても大事なポイントだから、青汁もよろしくな!
青汁については「【青汁なら野菜不足解消は簡単】野菜の摂取量1日350gもラクラク補給!」をまずは参考にしてくださいね。
善玉菌優勢の腸内環境にしておくためには
悪玉菌優勢の体のままだと、臭くて、黒い、最低最悪の便をずーっとしてづけることになってしまいます。
ただ臭いだけならば、別に気にしなくてもいいと言う人もいるかもしれませんが、悪玉菌優勢のままだと、ここでも紹介したように潰瘍性大腸炎や糖尿病、そして、最近では結構問題とされている過敏性腸症候群などをひきおこす恐れもあるのです。
そうならないためにも日頃から腸内環境をととのえておく必要があります。