腸というと、便秘や下痢などを連想しますよね!?
ところが、腸のダメージや腸内環境の乱れは腸の病気というだけでなく、免疫関連の病気、糖尿病、慢性疲労などの生活習慣病からも引き起こされています。
さらには肥満やうつ病なども密接に関係しているのです。
ここでは、腸内環境を整える上で、邪魔になってくる原因や、今後改善していく上で必要となってくる食品について紹介していきます。
目次
まずは腸内環境を乱す要因を取り除くことから
しかし、腸内環境を乱す原因といっても山ほどあるので全てを取り除くことは難しいかもしれません。
ただし、知っているのと知らないのとでは今後の腸内活動に大きく影響してきますので、まずは知ることからはじめましょう。
まずは、その内容をチェックしましょう。
炭酸飲料水や甘いジュースの甘味料には気をつける
市販の甘い飲み物である炭酸飲料やジュースには、コーンスターチを加工して作られる甘味料(異性化糖)が使用されることが多く、その甘味料にはブドウ糖と果糖が1対1でふくまれます。
- ブドウ糖・・・・・血糖値を上げる
- 果糖・・・・・・・中性脂肪の数値を上げる
この2つの糖により、炭酸飲料などはダブルのマイナス原因で肥満を助長してしまいます。
ところが、ジュースなどにふくまれる加工された果糖の場合には食物繊維ものぞかれていたりします。
そのため、濃縮タイプのフルーツジュースを健康のために飲んでいるのにかえって、肥満になったり、腸にダメージをもたらすことにつながり、腸内環境を悪化させ、便秘などになってしまう可能性があります。
食事の中心がパンや麺類などの炭水化物もダメ!
パンや麺類の原料は小麦です。
小麦のタンパク質成分である、「グルテン」のベトベトが栄養素の分解と吸収を阻害してしまい、免疫細胞を刺激します。
免疫細胞は刺激されると、小腸の壁を攻撃してしまうことにつながり、結果として、腸壁は傷つき、腸内の内容物が血液中に漏れやすくなるリーキガット症候群につながり、腸内環境の改善を得られないどころか、糖尿病などの原因にもなってしまいます。
もちろん、炭水化物はエネルギー源ですので、食べてはならないのではなく、適度な量ということで、食べ過ぎは禁物ということです。
抗生物質の必要以上の服用は、危険!!
抗生物質は菌を攻撃するため、腸内の善玉菌も同様に攻撃を受けます。
少し善玉菌が減るだけならまだしも、注意しなけばならないのは飲み続けるということです。
繰り返しの抗生物質の服用は、結果、腸内フローラの崩壊をまねいてしまうからです。
日本人はお金も比較的ある国で、健康保険制度もしっかりしてるため、病院に他の国にくらべるとかかりがちです。
風邪でも病院にいき、病状が悪い場合には抗生物質を処方してもらい、安易に飲んでしまいがちなんです。
もちろん、病気を薬で治すこと自体は何も問題はありませんが、その度合いや頻度は常に頭にいれつつ、腸内環境のことも気にして生活しましょう。
一番大事なのは、体の健康をしっかり管理して、病気にならない体づくりなのよね。
まだあるいろいろな腸内フローラの敵たち
これまでにあげたもの以外にも腸内フローラにとってマイナス要因となるものはあります。
<腸内フローラを乱す原因>
- 非ステロイド系抗炎症薬(頭痛、生理痛などの薬剤)
- ピル(経口避妊薬)
- 遺伝子組み換え食品
- 農薬
- 水道水にふくまれる塩素
これらも、腸内フローラを乱す原因になってしまうものです。
この他にも、いろいろな薬が腸内フローラに影響を及ぼすことは考えられますが、先ほども述べたようにまずは体を健康にすることが大事ですので、ケースバイケースで薬の服用は考えましょう。
大事なのはまずは、自分の体です。
もちろん、少し体調が悪いだけで抗生物質や頭痛薬、胃薬などを安易に利用する傾向がある人は今すぐ生活をあらためる必要はあります。
さらに、日常的に炭水化物や加工食品を食べることが多い人も気をつけなければなりません。
<腸内フローラのために気をつけなければならない9つの原因>
- 炭酸飲料や甘いジュース
- パンや麺類などの炭水化物
- ピル(経口避妊薬)
- 胃薬
- 抗生物質
- 非ステロイド系抗炎症薬
- 遺伝子組み換え食品
- 農薬
- 水道水に含まれる塩素
食事が腸内環境の形成に圧倒的な影響力をおよぼす!
最後は、腸内環境向上のための食生活についてお話しします。
健康な腸内環境づくりと、それを維持するためにはいくつかの食事でバランスをとっていけます。
早いひとだと、わずか6日間で腸内環境は変わるともいわれているのです。
プロバイオテクィクス:ヨーグルト、キムチなど
プロバイオティクスとは、「人体にいい影響を与える細菌が豊富なもの」で主に発酵食品をさしています。
ヨーグルト、キムチ、キャベツを発酵させたザワークラウトなどのほか、日本ではお馴染みのみそ、ぬか漬けなどもその1つになってきます。
ぜひ、プロバイオティクスを積極的に食事に取り入れてみましょう。
腸内細菌クエストではプロバイオティクスについて「【機能性食品の分類】バイオジェニックスで生活習慣病予防と老化防止!」の記事でも紹介しているので参考にしてみてください。
プレバイオティクス:食物繊維、オリゴ糖
プレバイオティクスの定義は、いろいろありますが、主には食物繊維とオリゴ糖のことをさしています。
- 人の消化液や酵素で消化できない
- 腸内細菌が発酵または代謝できる
- その働きが健康にいいもの
プレバイオティクスとされる食品を約100gとることで、約30gの善玉菌が増えると推定されています。
さらに、善玉菌は食物繊維をエサにして、代謝物である短鎖脂肪酸を生成します。
短鎖脂肪酸は、あとで紹介しますが腸内環境にとってプラスに作用してくれます。
腸内細菌のエサとなる食物繊維が少ないと、腸内細菌の種類が減ってしまい、代謝物である短鎖脂肪酸の種類も減少してしまいます。
腸内細菌クエストではプレバイオティクスについて「【オリゴ糖はビフィズス菌のエサ】乳酸菌サプリと一緒にとって最適な腸内環境に!」の記事でも紹介しているので参考にしてみてください。
炭水化物を減らし、良質の脂肪をとる
私たちの祖先は、野生動物や季節の野菜、たまにとれるフルーツを食料として生きはじめました。
つまり、本来は「高脂肪、高繊維、低炭水化物」の食事が、私たちの体にプログラムされているのです。
すなわち腸内環境を元気にする食事こそ、本来の人間の食生活なのです。
だから、当たり前のように炭水化物でお腹を満たしていた食生活を少しずつ変えていきましょう。
ワイン、紅茶、コーヒー、チョコレートなどを楽しむのもOK
これらはすべて、ポリフェノールの豊富な食品です。
ポリフェノールは植物(一部動物)にふくまれる、色素や苦味や香りにふくまれる成分で、外敵から身を守るための強力な抗酸化物質です。
しかもポリフェノールはビフィズス菌を増やしたり、腸の透過性を安定させることもわかっています。
一方でコーヒーには、腸内フローラのバランスを維持する抗炎症効果なども認められています。
水道水をろ過して飲んで、塩素を回避!
水道水にふくまれる塩素などは腸を攻撃する化学物質の1つです。
これを避けるためには水道水を飲まないことが大事ですが、飲まないわけにもいきませんよね?
正解です!浄水器でろ過して飲むことをオススメします、フィルターは定期的に交換しましょう。
汚染物質がたまってしまうと、フィルターの効果が低下してしまいます。
その結果、フィルターを通した水に汚染物質が入ってしまう可能性があるのです。
くれぐれもフィルターはいつも清潔に!
プレバイオティクスの新しい役割は、短鎖脂肪酸の生成
最近、注目されているのがプレバイオティクスによる「短鎖脂肪酸」の健康効果です。
<短鎖脂肪酸>
短鎖脂肪酸は、まだまだ研究をしている段階です。
ミネラルやカルシウムの吸収力を高め、腸にダメージを与える細菌の成長を阻害してくれます。
さらに、免疫力を高めたり、ダイエット効果があるなど、さまざまな健康的な効果が注目されはじめています。
今までは、食物繊維の効果といえば、以下でしたよね。
- 便秘改善
- 糖の吸収抑制
しかし、これはごく一部の側面であり、最近では腸内細菌が食物繊維をエサにして、「短鎖脂肪酸」を生成することに注目が集まっているのです。
今までは、善玉菌、悪玉菌の比率で腸の健康を考えるのが、メインでした。
しかし、これからは腸内細菌のだす、短鎖脂肪酸のような「代謝産物」の量や質が大切になってくるといわれています。
腸内フローラを元気にする食品を食べよう!
最後に、腸内フローラを元気にしてくれる食品を紹介しましょう。
これらの食品を食べることで、代謝産物などの質や量も上がってくると考えられます。
野菜
ほうれん草、クレソン、チンゲン菜、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、芽キャベツ、玉ねぎ、アスパラガス、ピーマン、きゅうり、トマト、ズッキーニ、かぼちゃ、なす
脂肪(体にいい)
エキストラバージン・オリーブオイル、ココナッツオイル、放牧で育った動物のバター、チーズ、ナッツ類、アマニ、チアシード
低糖質の実
アボガド、レモン、ライム
タンパク質
卵、天然魚、貝、甲殻類、放牧で育った牛・豚、羊の肉、鶏肉
発酵食品
ヨーグルト、キムチ、ザワークラウト、みそ、ぬか漬け
ハーブ調味料
基本的にはだいたいOK
ただし、トマトケチャップはNG、成分をちゃんとチェックして添加物の有無などをみる
腸内細菌クエストでは、腸内環境に乳酸菌サプリメントを摂取することを、推奨しています。
ここで紹介する<乳酸菌革命>は1袋から、一気に3兆個も乳酸菌を摂取することができます。
通常の食事やヨーグルトでは、何度も食べないかぎり補充できない量になっています。