善玉菌という言葉を耳にする機会が増えてきましたね?
でも善玉菌という名前だけ知ってるくらいでは、今はもうオクレていますよ!
乳酸菌、ビフィズ菌、納豆菌、麹菌、これらの区別がつきますか?
せっかく善玉菌は体にいいって知っていても、それぞれの効果や特徴を知らないと損をしていますよ。
ここでは、一歩踏み込んだ善玉菌の情報を紹介していきます。
目次
善玉菌が免疫細胞の暴走をおさえ、免疫力を高める
腸内に悪玉菌がふえると、腸のバリア機能と免疫の機能が弱まって、免疫の暴走がおこりやすくなります。
その結果、
- アレルギー
- 体の不調
- 恐ろしい疾患
をひきおこしてしまいます。
そのため、腸内に免疫細胞の力を高めてくれる善玉菌をふやすことが何よりも大切です。
恐ろしい疾患などは、「【悪玉菌優勢は体の赤信号!】日頃から便の状態をチェックして潰瘍性大腸炎予防!」の記事を参考に
【善玉菌のチカラ】アレルギー予防と改善
善玉菌は免疫力を高めてくれる頼もしい存在ですが、それ以外に善玉菌そのものにも、アレルギーの予防・改善効果が期待できます。
善玉菌は、免疫システムが正しく作用するよう働きかける「Tレグ細胞(制御性T細胞)」を増やしてくれるのです。(Tレグ細胞などの免疫システムにいては、「【アレルギーと免疫の関係】腸内環境を整えれば「パイエル板」が免疫力を向上!」の記事を参考に。)
アレルギーは、免疫細胞がアレルゲンを「異物」とみなして攻撃してしまうことによっておこります。
Tレグ細胞はこの暴走する免疫細胞にたいして「これは敵ではないよ」と伝え、攻撃をやめるように伝える働きをします。
いわば、免疫細胞の暴走をおさえる「なだめ役」のような存在です。
そうなんです。
そして、善玉菌は、このTレグ細胞を増やすことができるので、結果として、免疫バランスをとることができるんです。
このTレグ細胞がふえれば、免疫の異常がおこってもアレルゲンへの攻撃をおさえることができます。
免疫細胞そのものを活性化
善玉菌は、免疫細胞そのものを活性化させることもできます。
免疫細胞の表面には受容体というセンサーがあるのですが、このセンサーに善玉菌がみずからくっつくことで免疫細胞のチカラが活性化されるのです。
つまり、善玉菌は免疫細胞にとって、十分に働けるようサポートしてくれる存在というわけです。
もちろんです。
少々ややこしくなりましたが、免疫システムがちゃんと働いていれば、アレルギー自体にもなりませんし、それだけでなく、単純に病気にもなりにくいということになります。
- 肌が綺麗になる
- 血圧が正常になる
- 肩こりがおさまる
- 頭痛がおさまる
- がんの予防になる
免疫システムがしっかりと働いて、免疫力が上がるということはいいことづくしなんです。
実際に、体の弱いヒトの体には、善玉菌が少ないというデータもあるようです。
善玉菌などの乳酸菌と免疫力については、「【花粉症には乳酸菌が効く】乳酸菌でIgA抗体を増やせば、免疫の誤作動が止まる!」や「【肌荒れ改善には乳酸菌】便秘を解消しないと肌荒れは改善しないって知ってた!?」の記事を参考に
善玉菌の種類をいくつ知っていますか!?
ひとくちに善玉菌といっても、ヨーグルトや乳製品にふくまれる乳酸菌・ビフィズス菌、和食でおなじみの納豆菌や酵母菌、麹菌など実は500種類以上の菌があります。
なかでも、善玉菌の代表は、
- 乳酸菌
- ビフィズス菌
です。
自然界にも存在している乳酸菌
乳酸菌はヒトの腸内だけでなく、自然界一般に広く存在しています。
生きたままヒトの腸内にすみついて働くのはほんの一部で、
- 植物のなかに住むもの
- 漬物などの発酵食品にすんでいるもの
などさまざまです。
乳酸菌は、基本的に球体や棒状のカタチをしています。
乳糖やブドウ糖などの糖類を栄養源にして、善玉菌のエネルギー源となる「乳酸」をつくります。
ちなみに大腸菌などの一部にも乳酸を生成する細菌がありますが、それらと乳酸菌との違いは「増殖することがヒトの健康にとって有益なものかどうか」という点です。
一方のビフィズス菌はヨーグルトにふくまれていることも多く、乳酸菌の一種とおもわれていることも多いのですが、その特徴はまったく異なります。
ビフィズス菌は、V字やY字などさまざまな形状をしていて、赤ちゃんの場合には腸内の善玉菌の9割をしめるのが理想とされています。
乳酸だけでなく酢酸もつくり、腸内を酸性にたもってくれるため、酸性の場所を嫌う悪玉菌は増殖することができなくなります。
また、ビフィズス菌は酸素があると生きられないため(嫌気性)、主にヒトや動物の体内に住んでいて、特に酸素のない小腸下部から大腸にかけて多く存在しているといわれています。
主な善玉菌の種類と特徴
乳酸菌
ビフィズス菌や酪酸菌の増殖をサポートする菌
ビフィズス菌
種類を分解して、乳酸と酢酸をつくり、悪玉菌の増殖をおさえて消化吸収を助ける
酪酸菌
糖類を分解して酪酸を生成する細菌。
腸の粘膜を修復したり、小腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発化したりする。免疫力の向上にもかかわる
納豆菌
納豆にふくまれる菌。腸内環境を酸性にし、乳酸菌やビフィズス菌の増殖力を高める
酵母菌
パンやビール、日本酒、味噌、しょうゆ、ヨーグルト、納豆、チーズ、漬物の類などにふくまれる。
善玉菌を活性化させ、老化の原因になる活性酸素を抑える。
ビフィズス菌と乳酸菌のちがい
ビフィズス菌と乳酸菌のちがいについては、なかなか初めて聞いた人だとすぐにはわかりづらいので以下に簡単にまとめました。
もちろんどちらも腸内環境の改善するうえでは、大きな仲間となってくれるので積極的にとることをオススメします。
乳酸菌 | ビフィズス菌 | |
生息する場所 | 自然界に広く存在する
生き物の腸内、乳製品、発酵食品など |
生き物の腸内 |
性質 | 酸素があっても生息できる | 酸素があると生息できない |
糖を分解してつくるもの | 乳酸 | 乳酸、酢酸 |
菌の形状 | 球状の乳酸球菌と
棒状の乳酸桿菌の2種類 |
棒状、またはY字やV字型に分岐した形状 |
まとめ
いかがでしたか?
善玉菌を日頃から摂取することで、腸内環境を改善し、いろいろな病気や体調不良に備えるようにしましょう。
ここで紹介したように善玉菌には乳酸菌やビフィズス菌などいろいろな種類があり、それぞれに少しずつ効果が違います。
ただ、乳酸菌、ビフィズス菌はどちらも腸内環境に良いですし、どちらもいろいろな種類を摂取しても問題なく、むしろ効果が相乗効果があるので積極的にサプリメントなどで摂取するようにしましょう。