普段、腸内細菌の話をすると、たいていの場合善玉菌と悪玉菌の話になっちゃいますよね。
でも腸内細菌には、そのどちらにも当てはまらない菌たちも存在します。それが日和見菌です。
ここでは日頃スポットがあたらない日和見菌にスポットをあてて、実は腸内細菌の中でもっとも重要なポジションであり、かつ、重要な役割をもっているということを紹介していきます。
日和見菌ってどんな菌!?数はどれくらい!?
実は意外と知られていないのですが、善玉菌や悪玉菌にも当てはまらない菌の方が、腸内の中には多く存在しているのです。
「バクテロイデス」、「ユウバクテリウム」、「嫌気性連鎖球菌」、「クロストリジウム」などの嫌気性細菌がこれらに該当します。
これらの菌は、「日和見菌」と呼ばれていますが、ちょっとやっかいなことに悪玉菌が繁殖すると悪玉菌になびいてしまうのです。
もちろん、善玉菌が強い状態になっていれば、善玉菌の仲間にもなってくれます。
そもそも、「日和見」という言葉が、「どっちつかずの有利な方に味方する、形成をうかがっている」という意味なのです。
そして、忘れてはいけないのが、日和見菌の数なんです。
一般的に理想的な腸内細菌の構成は、以下のようになっています。
<腸内細菌の割合>
善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7
そうなんです。日和見菌はとても多いので、この菌たちを仲間にすることがとても大事。
そして、もともと善玉菌と悪玉菌の数も拮抗してるので、日和見菌を味方にすることで一気に優勢になるのです。
日和見菌を味方につけるためには、「【便秘解消には酸性の腸内環境】乳酸菌サプリで腸内を酸性にして悪玉菌を退治!」の記事も参考に!
日和見感染って、日和見菌のこと!?
そうです。
日和見感染は、病気やストレス、老化などによって免疫力が低下することで、敗血症や腎炎、膀胱炎などを発症することです。
なぜこんなことになるかというと、手術などをすると、免疫力は一気に低下してしまいます。
そうなると日和見菌が腸内をとびだしてしまい、他の臓器などに侵入して、感染症を引き起こしてしまうのです。
本来ならば無害だった日和見菌が病原菌となってしまう、残念な例ですね。
そうならないためにも日頃から体調管理をしておくこと、そして、腸内環境を正常にしておくことが必要になってくるのです。
<腸内環境の大切さを知りたい人にオススメの記事>
「【乳酸菌の植物由来と動物由来の違い】ヨーグルトよりも乳酸菌サプリがベスト!」
日和見菌の役割をしっかり認識して、腸内環境を改善していく!
いかがですか?腸内環境においてだけでなく、体全体において、日和見菌が大事であることをなんとなく理解できたかと思います。
まずは、日和見菌の知識としてはこれくらいあれば十分です。
さらに最近では、日和見菌が肥満の形成にも関与しているのではないか、というような学説もでてきているようなんです。
しかし、これはまだ推測レベルで、日和見菌が実際にどんな働きをしているのか、まだまだ解明はできていないのが現状です。
逆にいえば、今後の研究次第で、もっともっと日和見菌が体にとって重要なことをしてくれていることがわかってくるかもしれないのです。
常に腸内環境まわりの情報にはアンテナをはっておきましょう!
現状での日和見菌の特徴を以下にあげましたので、頭によーく叩き込んでおきましょう!
<日和見菌の特徴>
- 善玉菌にも悪玉菌にも味方する
- 強い方に味方する
- 腸内で一番数が多い
- 免疫力が低下したら、日和見菌感染の要因になる